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2009年05月20日

楽しみだー

 生きていてよかった。
 ウェブサイトにようやく詳報掲載!
 「藤子・F・不二雄 大全集」7月刊行開始。
posted by 瀬名秀明 at 22:44| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2009年05月03日

いろいろ

 多発飛行機の免許を取得して帰国したら、もう仙台は葉桜でした。でも葉桜の淡い色合いもなかなか風情がありますね。

 任期満了に伴い、3月末で東北大学機械系の特任教授職を退職しました。実は継続を打診されていたのですが、今後数年間は積極的に小説を書いていきたい気分なので、純粋な作家業に戻りました。「瀬名秀明がゆく!東北大学機械系」のページは更新担当者がいま不在のため放置されていますが、たぶんしばらくしたらアーカイブに収録されるのでは。
 帰国してからはハイペースで仕事を続けています。

 新型インフルエンザへの注目が集まっています。インフルエンザウイルスが専門である父(中部大学・鈴木康夫)は、さっそく次号の「現代化学」のために最新情報を書き下ろしたようですのでぜひご覧ください。
 正確な情報をつねに得て、気持ちを冷静に保つというのは簡単にできることではありませんが、どんな新型であろうとまずは自分でできるところを普段通りにおこなうことが大事。
 日本人なら、まずは厚生労働省のウェブサイトをブックマークしておいて、定期的に閲覧するのがいいでしょう。現在は「新型インフルエンザ対策関連情報」のページもあります。
 ここには「個人でできる対策」という文書がしっかりアップされていますから(クリックするとPDFをダウンロードできます)、一度はこれを読んでおき、必要ならプリントアウトして手元に残しておくことをお薦めします。咳でつばを飛ばさない、マスクを使う、感染の疑いのあるときは外出を控える、どれも大切なことばかりです。

 国立情報学研究所の新井紀子先生らが「Reseach Map」という新世代研究基盤を起ち上げました。ご招待いただきましたのでプロフィールページをつくってみました。研究者の世界では、講演をやるごとにいちいちプロフィールを提示する必要があるので、こういうウェブページがあると確かに便利かも。

 仙台ジュンク堂LOFT店、イービーンズ店で、そろそろ「瀬名秀明書店」のリニューアルがおこなわれているはず。今年はどんな本が並んでいるか、ぜひ店頭でお確かめください。LOFT店とイービーンズ店の両方で棚を展開していますので、見比べてみてくださいね。

 フライト訓練のとき自炊していたのですが、自分でつくる料理があまりにまずかったので、帰国してから料理を再開。いやー、最近の料理本は親切でわかりやすい。道具もいいのを揃えればおいしい食事ができることがわかりました。ポテトサラダとかつくっています。
posted by 瀬名秀明 at 10:29| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

「オッド・トーマス」シリーズ、ついに邦訳開始!

 ということで早川書房のウェブサイトにも告知が出ましたが、ディーン・クーンツの最高傑作、「オッド・トーマス」シリーズが、ついにハヤカワ文庫にて3月より刊行開始となります。
 いまだにクーンツといえば『ウォッチャーズ』『戦慄のシャドウファイア』だと思っている人にこそ、ぜひ読んでいただきたいですね。
 現在までこのシリーズは、Odd Thomas, Forever Odd, Brother Odd, Odd Hoursの4作が刊行され、マンガ形式の番外編In Odd We Trustも出ています。
 全部で6作ほどになるというこのシリーズ、どうやらかつて未完のまま終わっていたChris Snowシリーズ(1作目だけ『何者も恐れるな』として邦訳済み)とも世界観がつながっているようで、今後の展開が楽しみでなりません。
 繰り返しますがこのシリーズは正真正銘の大傑作。決して読み逃さないように!
posted by 瀬名秀明 at 22:54| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2009年01月31日

ご来場ありがとうございました

 1月24日の特別シンポジウム、25日のトークイベントにたくさんのご来場をいただき、ありがとうございました! 特に24日のシンポジウムは、限られた予算と人員のなかで精一杯やりましたが、行き届かない面もあったと思います。しかしながら、多くの方々のご援助によって、事故もなく開催することができました。ご来場の皆様、スタッフの皆様、ご支援をいただきました皆様に心から感謝いたします。
 25日のトークイベントでは、出渕裕さんも飛び入り参加。高橋良輔監督とこれまでのロボットアニメを振り返り、大いに盛り上がりました。終了後は高橋さん、出渕さんと牛タンを堪能。
 25日、出渕さんは仙台の古書店「火星の庭」に行ったようです。そのときの様子が「火星の庭」のブログに掲載されていますね。

 24日のシンポジウムの概要は、ロボット関係の雑誌などにレポートが掲載されることと思いますので、ぜひそちらをご覧下さい。(ウェブサイト「瀬名秀明がゆく!」は更新終了しますのでこちらでは報告記事を出しません)


 そういえば話は変わりますが、こんな研究が出ていたので紹介しておきます。
真核細胞誕生の謎を解くパラサイト・シグナルを発見
 学術研究のプレスリリースに『パラサイト・イヴ』が引用されているのは嬉しいですね。

 司会・コーディネート役はこれで一休みをいただいて、しばらくは原稿執筆に邁進します。
posted by 瀬名秀明 at 12:33| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年11月18日

「一般の皆様へ」研究室のスタンスを伝える 【水素水その5】

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【関連するエントリー】

→「「活性水素水」と「水素水」はまったく別のものです 【水素水その1】
→「水素水研究の基本を理解するためのリンク集 【水素水その2】
→「太田成男先生からの手紙 【水素水その3】
→「水素研究会発足記念シンポジウムの内容公開 【水素水その4】
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 日本医科大学の太田成男先生から、ご自身の研究室のウェブページに「一般の皆様へ」という文章を掲載したとのご連絡をいただきました。
 トップページから「一般の皆様へ」をクリックすることで誰でも閲覧できます。
 →フレームなどを介さず直接読むにはこちら
 一部を以下に引用します。

 当研究室では、「水素分子の生体への効果」についての研究を2005年より開始しました。この研究成果は大きな社会的反響をよぶことになりました。また、私たちの研究を悪用する人たちも現れました。そこで、当研究室の立場、水素に関する正確な知識を一般の方にも広く知っていただく必要が生じました。インターネット上に公表することが、一番有効であるとの助言を各方面からいただきましたので「一般の皆さまへ」という項目をホームページに設置することにしました。


 また、有限責任中間法人 水素研究会および日本医科大学老人病研究所 水素分子医学研究開発拠点のウェブページでは、それぞれ水素医学に関係する学術情報のリストが掲載され始めました。今後はそれらのページの充実に期待して、拙ブログの【水素水その2】の更新は終了いたします。
 →水素研究会ウェブページによる「学術論文 一覧と要約」
 →日本医科大学老人病研究所 水素分子医学研究開発拠点ウェブページによるデータベース「水素分子(H2)をもちいた疾患予防と治療に関する研究論文一覧

 ウェブページが読みにくい、情報が分かりにくい、という場合は、どんどん読者が当該ページの担当者へ直接要望を出し、よりよいウェブページ作成へ向けて双方で努力してゆけばよいと思います。
 いま私たちは、最新かつ的確な情報をしっかりと見極め、冷静に考え続けてゆくことが、何よりも大切なのだと感じます。
posted by 瀬名秀明 at 14:45| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年11月04日

はじめて川内萩ホールに入った

東北大学百周年記念会館の川内萩ホールにはじめて足を踏み入れる。
阿部次郎記念賞の授賞式はつつがなく。受賞者のみなさま、おめでとうございます。とても表情のすてきな高校生たちでした。帯広からひとりで電車と飛行機を乗り継いでやって来た受賞者もいました。
文学部の野家啓一教授が『デカルトの密室』を読んで下さっていたことに恐縮。でも哲学者から誉められるのはとても嬉しいぞ。なんといま講義で『デカルトの密室』をテキストに使って下さっているそうです。
posted by 瀬名秀明 at 00:38| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年10月18日

水素研究会発足記念シンポジウムの内容公開 【水素水その4】

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【関連するエントリー】

→「「活性水素水」と「水素水」はまったく別のものです 【水素水その1】
→「水素水研究の基本を理解するためのリンク集 【水素水その2】
→「太田成男先生からの手紙 【水素水その3】
→「「一般の皆様へ」研究室のスタンスを伝える 【水素水その5】
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 有限責任中間法人水素研究会のウェブサイトがようやく稼働しはじめました。2008年7月29日におこなわれた発足記念シンポジウムの内容が掲載されています。
 →記者発表会
 →基調講演 太田成男「水素医学の現状と水素研究会の課題
 →「パネルディスカッション

 *ただし、いま公開されている文章は、瀬名が送信した校正が反映されていません。校正後の、よりわかりやすい文章に改めていただくよう、連絡します。

 瀬名はパネルディスカッションに参加。水素医学研究に関してpublic relationsの充実を呼びかけています。今回のウェブ公開への道筋は、私が作家活動のなかでなしうることをなした仕事であると考えています。
 パネルディスカッションに参加された研究者のおひとりが、「インターネットで公表すると発言の一部だけが一人歩きし、臨床の現場が混乱する可能性」があると判断され、発言未公開となったことは示唆的だと感じます。今後、冷静な判断による水素医学への言及、発言が増えてゆくことを、個人的にも期待しています。

【追記2008.11.11】
基調講演その他へのリンクが切れているとのことだったので修正しました。URLが変更されていたみたいです。
瀬名の校正はまだ反映されていませんね。シンポジウムの記録としてはこれでもよいのだけれど、せっかくなのでわかりやすく伝わりやすい文章に改めたものにしてほしいです。こっちで校正文を公開してしまおうかな。
上記の水素研究会のウェブサイトでは、学術論文の情報もちゃんと出ていますので、興味のある人は論文を探し出して読めると思います。その点はとてもよいと感じました。

【追記】2008.11.18
2008年11月17日に、瀬名の校正は反映されました。
posted by 瀬名秀明 at 11:37| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年09月27日

新聞の影響で品切れ大騒動 『20世紀の幽霊たち』読書にいいのか

 朝日新聞が『20世紀の幽霊たち』を取り上げたところ、Amazon.co.jpなどで同書の品切れがもう一週間も続いている。2007年は、納豆ダイエットの品切れ問題があったが、それに次ぐ騒ぎだという。そんなにありがたがるほど、読書によいものなのか。


 というのはこっちの記事からのパクリ。

「マンガやゲームなど1日に読む量を、まんべんなく減らしていくことです。楽して感動しようとするのではなく、運動しながら物語を楽しむ努力が必要でしょう。流行に振り回されないことが一番大事。人によって体質、生活習慣などが違うので、カリスマ書店員などのまねをすれば健康を壊して損をすると思いますよ」


 自分でおもしろいと思った本が多くの人にも読まれるのは嬉しいのだが、まじめな話、一発の書評で一時的に売れても、その後が続かないとランクは急速に下がっていってしまう。いろんな人があちこちで、しかもそれぞれが緩やかにつながるように評価してゆくのがいいわけだが、そういうところまで出版社側がプロデュースできた例はほとんどないと思う。いつも勿体ないなあと感じる。
 ところで最近の光トポグラフィ計測で、運動しているときにも前頭前野が賦活して脳トレになるという知見がいろいろ出てきているのだが、上のようなしょうもない文章を書いていて、運動しながら読書したとき(あるいは朗読を聞いたとき)どうなるのかってけっこうおもしろい研究テーマじゃないかと思えてきた。共感や感情移入の具合もきっと変化するんじゃないかなあ。ランニングしながら音楽を聴いているみなさん、感動度に何か変化はありますか? 
posted by 瀬名秀明 at 14:38| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年09月08日

広瀬図書館で聞こえた会話

仙台市天文台でのトークセッションが終わり、次の予定が来るまで近くの仙台市広瀬図書館で仕事をしていたわけだが、本棚を隔てた向こうの視聴覚コーナーから、小学生と思われる男の子ふたりの会話が聞こえてきた。
「フタバスズキリュウってさあ、卵からは生まれないんだよ」
「へえー」
「でも映画だからそういうふうにつくっているらしいよ」

きみたちはどうやってそんなディープなネタを仕入れたのですか。
日本のサイエンス・コミュニケーションは、実はすごいところまで来ているのかもしれない、と思った。
posted by 瀬名秀明 at 01:28| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年08月15日

太田成男先生からの手紙 【水素水その3】

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【関連するエントリー】

→「「活性水素水」と「水素水」はまったく別のものです 【水素水その1】
→「水素水研究の基本を理解するためのリンク集 【水素水その2】
→「水素研究会発足記念シンポジウムの内容公開 【水素水その4】
→「「一般の皆様へ」研究室のスタンスを伝える 【水素水その5】
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瀬名秀明より前書き

 2008.8.11のエントリーを公開した後、日本医科大学大学院・加齢医学研究科の太田成男教授から、メール添付のかたちでお手紙をいただきました。それは長文で、かなりのお時間を取っていただいたのだと思います。
 水素水研究について太田成男教授のスタンスや理念がわかりやすく書かれており、私はその内容に心を動かされました。私は太田教授にメールで返信し、ぜひいただいた文書をウェブで一般公開したいと申し出ました。文書の扱いについては私に任せますとメールにあったのですが、やはり事前に確認しておきたいと感じたからです。一日経って、太田教授からご返信をいただきました。本来であれば自分のウェブページに載せてリンクしていただくのがいいのでしょうが、いまは瀬名さんのブログに載せていただければありがたく思います、とのお返事でした。

 太田教授からのお手紙は、私の2008.8.11のエントリー内容で誤解していた部分の訂正と、水素水研究に対するご自身のスタンス、理念についてのものです。そして研究の現場におけるエピソードも記されています。番外編は瀬名への近況報告だとのことですが、水素水について知りたいと願う多くの人にとっても心に直接届く文章だと感じました。

 私の2008.8.11のエントリーに間違いや深読みのしすぎの部分があったことに対して、読者の皆様と太田教授に心からお詫びします。2008.8.11のエントリーは太田教授に事前の連絡もせず、自分の判断だけで公開した文書でした。それでもこうして太田教授から直接の言葉をいただけたことは本当によかったと思っています。私自身、水素水研究に関して理解が大きく進みました。
 以下に太田成男教授から2008年8月14日の夜にいただいた文書を再掲します。太田教授からは、「説明責任を果たすために研究室のWeb上にも今まで誤解を生じさせている事柄についての解説をのせなくてはならないと考えるようになっています。」「水素研究会(も)早急にHPを立ち上げようと思っています。」とのご連絡をいただいています。今後、太田教授や水素研究会がウェブサイトを起ち上げ、情報を発信するようになったら、この文書は移動や削除をするかもしれません。また太田教授との話し合いによって、今後必要に応じて文書を変更する場合もあります。その点はどうかあらかじめご理解いただければ幸いです。
 いまはこちらに掲載いたします。水素水研究の理解と発展の一助となれば嬉しいです。

 以下、太田成男教授から瀬名秀明への文書(2008.8.14)
 ブログ上で読みやすくするために若干の改行や空白行を入れました。




瀬名NEWS「水素水研究の基本を理解するためのリンク集」ありがとうございます。この記事を補強する意味でのコメントをお送りしたいと思います。

日本医科大学 太田成男

慶應義塾大学の林田健太郎氏が太田教授らと共著で発表した論文。水素ガスの抗酸化作用について、さらに結果を出しています。Nature Medicineの論文を補強する内容だといえます。
Fukuda K, Asoh S, Ishikawa M, Yamamoto Y, Ohsawa I, Ohta S (2007). Inhalation of hydrogen gas suppresses hepatic injury caused by ischemia/reperfusion through reducing oxidative stress. Biochem Biophys Res Commun 28: 670-674.
doi:10.1016/j.bbrc.2007.07.088


 この論文は慶應大学との共同研究ではなく、私の研究室から出した論文です。この論文の第一著者の大学院生のKei-ichi Fukuda(福田慶一)は慶應大学の福田恵一教授と同じ名前なので、よく間違われます。福田恵一教授は、林田さんが第一著者の論文の最終著者となっているからです。

林田氏、太田教授らの共同研究第2弾。ラットの脳梗塞に対する水素ガスの抗酸化ストレス作用を見ています。
Hayashida K, Sano M, Ohsawa I, Shinmura K, Tamaki K, Kimura K et al (2008) Inhalation of hydrogen gas reduces infarct size in the rat model of myocardial ischemiareperfusion injury. Biochem Biophys Res Commun 28: 670-674.
doi:10.1016/j.bbrc.2008.05.165


 したがって、この論文は林田氏、太田教授らの共同研究の最初の論文となります。

 水素水というだけでいかがわしいイメージがついてまわり、太田教授の勤務する日本医科大学ではマイナス水素イオンに関するビラが撒かれるなど、不穏な雰囲気になった時期もあったと聞いています。残念なことだと私は思います。


 「マイナス水素イオン」に関するビラではなく、「マイナスイオン」についての東京都からの消費者に対する注意をうながすビラでした。また、「ビラが撒かれた」というよりは、ある会議の席で、無許可・無断で配布した人がいたというほうが正確です(「ビラが撒かれた」ということと同じことかもしれませんが……)。

もっとも、株式会社ブルー・マーキュリーの水素水が、最初からすべてにおいてスキのないものだったとは思いません。ブルー・マーキュリーを起ち上げた室田渉氏について、丸山甲斐『水素の世紀』(幻冬舎ルネッサンス)という本が詳しく記しています。この本を読むと、室田氏はもともとルルドの「奇跡の水」や九州大学・白畑教授の怪しげな「活性水素」理論に関心を持っていたようで、その興味が飽和水素水をつくる機械の開発への着手に弾みをかけたと思えてきます。


 本をよく読んでいただければわかると思いますが、「室田氏はもともとルルドの「奇跡の水」や九州大学・白畑教授の怪しげな「活性水素」理論に関心を持っていたようで、」という内容の記載は、その本にはないと思います。少なくとも、室田社長は、私に最初に会ったときから「活性水素とは違う」ことを強調していました。私も「『活性水素』に関連する研究をお願いする」と言われたら話も聞かず即座にお断りしたでしょう。また、私と会う以前にも、室田さんが、水素の研究をしてくれる研究者をいろいろな大学を訪ねて探しまわっていた時に、ある方から「白畑教授を紹介しましょうか?」と勧められそうです。その時「とんでもない。」と即座に断ったという武勇伝(?)も聞いています。室田さんが、はじめから水素分子に注目していたのは明らかです。

しかし厳しいことをいうなら、太田教授は水素分子の物理学的な挙動に関しては専門家とはいえません。水素分子の挙動について、工学や物理学の眼力を持つ専門家から、つまり別の視点からのコメントがほしいところです。水素医学を今後発展させてゆくためには、分子生物学者と工学者・物理学者の共同研究が必要でしょう。さまざまな眼力を持つ専門家による、さまざまな言葉が聞きたいのです。そうすることで多くの人は水素医学研究者に対する信頼感と安心感を持つようになるはずです。


 このご意見には全く同感です。同感したことを前提として、生体内の水素分子の研究の深さを示唆するために、私たちの経歴と背景を紹介します。

 私は、理学部化学科を卒業しています。当時は、その理学部に生物化学科もありましたから、純粋に物理化学と有機化学と無機化学からなりたつ化学科です。そして、固体表面の触媒反応機構を主な研究テーマとする研究室で卒業研究を行ないました。この卒業研究で、私は、セシウム有機化合物表面の触媒によって、水素ガスと窒素ガスからアンモニアを合成するなどの研究を行なっています。おもな仕事は真空系の実験装置を作るガラス細工でした。
 大学院は薬学系の「物理化学」の研究室に進みました。分光学と生物物理が二本柱の研究室でした。この間、東京大学医科学研究所や自治医科大学と共同研究で、蛋白質の物性の研究から医学関連とミトコンドリア研究へと入って行きます。蛋白質(蛋白質合成系のEF-TuやATP合成酵素)の構造的ゆらぎを測定するために、蛋白質を重水(D2O)に溶かし込んで、蛋白質内の水素原子(H)と重水素原子(D)が交換して行く様子を赤外線スペクトラムで追跡して、蛋白質の動的構造変化を追求するという方法を用いました。フーリエ変換赤外線分光器(FT-IR)の国内第一号の機械を使っていました。私の美しいFT-IRのスペクトルは日本本分光学会の機関誌にも紹介されたくらいです。

 博士課程ではATP合成酵素の構造変化を対象としました。ATP合成酵素の逆反応はH+輸送ATPaseですから、ここでも水素(H+=プロトン)と関係あったわけです。ATP合成酵素内をH+が通りぬけるのか、H2Oと結合したH3O+(ヒドロニウムイオン)が通るのかなど、分子軌道も含めずいぶん勉強しましたね。
 したがって、今から考えると水素にはずっと縁があったわけです。そして、他の生化学者や分子生物学者と比較すれば格段に物理化学の素養があるといってもいいでしょう。化学科の同級生には、水素分子の物性の専門家もいますし、分子構造を計算によって予測する専門家もいます。また、時々同窓会のようなものも開いていますので、水素に関する知識や反応性の予測など相談できる親しい人がたくさんいるわけです。フリーラジカルを測定するためのESR(電子スピン共鳴)が専門の研究者(現在は、ESR学会会長)も、となりの研究室にいましたから、ラジカル測定についてもいろいろ聞ける状況にあります。

 水素分子の専門の友人と私と室田社長で話をしたことがあります。室田社長が「水素を維持する容器はどんなものがいいでしょう?」と質問すると、一秒後には「アルミニウムしかありません。」との答えが返ってきました。室田社長曰く「水素を維持する容器としてアルミパウチに到達するまでに、我々素人は1年半も費やしたのに、専門家に聞けば一秒ですか? やっぱり大学の知識はすごいなぁ」。この後、室田は自信をもってアルミ缶の製品開発に向かうことになりました。

 次にNature Medicine論文の第一著者の大澤(現在の水素分子医学教授)の経歴にも簡単に触れておきましょう。彼は、工学部の化学工学科を卒業しています。流体力学や分子の拡散速度の計算、溶解論、反応論などについては、彼の友人にたいへんお世話になっています。もし、彼が化学工学科出身でなければ、この研究の本当の意味を理解できなかったでしょうし、この研究をやろうとは思わなかったでしょう。


 今思うに、生体内における水素分子の研究は、化学反応や物性についてのかなりの素養と背景がある研究グループでなければ、おそらくは、なしえなかったものであると思います。生体内の水素研究は物理学に裏打ちされた知識なしには進める事はできないものです。単なる思いつきや想像で仮説をたてて研究をすすめるというような表面的なものではないことを、是非御理解いただきたいと思います。



番外編

 このような私の経歴を話すと、「学部学生の時は気体分子の反応研究で、今何故、老化や病気の研究なのですか?」と必ず聞かれます。普段は面倒くさいので、「ミトコンドリア研究一筋30年」ということにしています。しかし、本当の答えは、
「私の頭の進歩と学問の進歩によって、複雑な老化や行動も分子反応で理解できるようになった。大学生当時は、溶液などの均一系での触媒反応研究が主流で固体表面(不均一系)の触媒反応は複雑な系とされていた。大学院生のころになると生体内で重要な役割をはたす単一ポリペプチド酵素が大量に精製して研究できる対象になった。さらにATP合成酵素のような複雑でエネルギーが共役する酵素も研究対象になった。さらに、オルガネラの形成が分子レベルで解明できるようになった。そして、病気や老化も分子レベルで記載できるようになった。今まで関わってきた研究テーマをただ並べると一貫性がないように思う人が多いのだが、私にとっては、複雑系を分子反応という言葉で語るというだけのことであり、一貫性という点ではあまり違和感がない。今後は、もっとも複雑な老化や認知症という現象に対して、最も単純な分子で立ち向かうことにしたい。集大成の時期に来たのかもしれない。」


 ついでに、筆がすべってきたので、番外編として研究の一コマ、二コマを紹介します。


 Nature Medicineの論文のFig3にはESR(電子スピン共鳴)のスペクトルが載せてあります。レフリーから細胞内のヒドロキシルラジカルの量をESRで測定しろというコメントがきました。文献を調べても、細胞内のヒドロキシルラジカルを測定したという信頼できる論文はありません。無理を要求してくるのが審査員なのだとあきらめて、なんとか対策を講じようと熟考しました。ESRの依頼測定をしてくれる会社を見つけて、そこへ培養細胞系を持ち込んで、ESRを測定することにしました。その会社では、感度をあげるように改良したESR測定機械を開発しており、試料をいれる測定容器も特別の改良型です。
 第一著者の大澤くんとふたりで1日12時間、2日間休みなく働きました。昼も夜もコンビニから弁当を買ってきてもらいました(私も12時間くらいは集中して実験ができる体力があることがわかったのが成果です)。当然のことですが、普通に測定しても細胞内のヒドロキシルラジカルのシグナルは検出できません。オペレータの人は「無理ですね」という意見でした。そこで、私がオペレーターの人に、レスポンス速度からスキャン速度、積算回数までESR測定条件を細かく指示することにしました。試行錯誤して、やっと細胞内ヒドロキシルラジカルを検出し、水素分子によってそれが減少することを確定しました。その会社の人も「医科大の教授が何故こんなにESRの測定に詳しいのか」と、目を丸くしていましたね。

 私たちのNature Medicineの論文を読んだある会社の研究所の方から、
「私たちの研究所でもESRを測定している。こんなにきれいな(ノイズの少ない)スペクトルがとれるはずがない。」
 というクレームがつきました。
「細胞内のヒドロキシルラジカルを測定したというのは本当か?」
 という疑問が呈されたわけです。そこで、
「私はレスポンス速度をさげて時間をかけて測定したのではないのですよ。レスポンス速度を早くして、スキャン速度を10倍にスピードアップして10回測定(積算)して、平均をとったものですよ。10回積算すれば、計算上ルート10分の1、つまり約3分の1にSN比(signal-noise ratio)を低くすることができます。論文にも測定条件と説明が書いてありますからよく読んでくださいね」
 と返答しました。分光学の研究室に所属した経験がなければ、ESRによる細胞内ヒドロキシルラジカルの測定はなしえないことだったでしょう。


 ついでに言えば、ストレスによる認知障害を水素分子が抑制するという論文(Neuropsychopharmacologyの論文)に記載されている内容は、記憶とか学習能力による動物行動ついての実験が主ですので、私たちの専門外です。しかし、論文投稿前に親しいその方面の専門家に論文を読んでもらって厳しいコメントを頂戴し、論文を書き直しています。信頼できる専門家に相談すれば、信頼できる論文にできるというのが私たちの考えです。
 ちなみに、Neuropsychopharmacologyはインパクトファクター6以上で、Pharmacology&Pharmacy領域の世界で200ある学術雑誌のなかのトップ4に位置する雑誌ですので、厳しい審査を経て採択されることは明らかです。特に、私はブルー・マーキュリー社の顧問をしていることを審査員に対しても明記しているので、疑いの目をもってより厳しく審査されたはずです。

 ついでに裏話をしましょう。Neuropsychopharmacologyに、投稿論文がほぼ採択されるという連絡がきました。普通ですと一安心ということなのですが、今回は違っていました。いろいろ考えるうちに不安が募るばかりなのです。ひとつひとつ実験結果とその記録を検証していくと、どう見ても問題がないはずなのですが、何となく不安が解消されません。この論文の影響が大きいことが予測されますので、万が一にも、結果が他の研究室では再現されないとなると大変です。
 そこで、第一著者の大学院生にもう一度同じ実験を繰り返すことを頼みました。論文が採択されてから再試をするということは、今までに例がありません。その大学院生は不満も言わずに、素直にもう一度同じ実験を行なうことに同意してくれました。「もう一度」というのは簡単ですが、実験をやる本人からは、7週間にわたって同じ実験をしなくてはならないわけですからたいへんです。その結果、前と同じ結果がでたので、ほっとした次第です。安心したそのころに、電子版に論文が発表されました。実験は正直です。でも、水素の研究は気苦労が多い。
posted by 瀬名秀明 at 20:10| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年08月14日

夏休みですが……

暑中お見舞い申し上げます。
とはいえ、先週までは講演が重なって怒濤の毎日。ようやく一日だけ実家に帰ることができました。母親へのおみやげは、前を人が通るとヒヨヒヨ鳴いてくれるロボット「小鳥日和・野鳥美術館 オオルリ」。かなり癒されます。
今年中にもう一冊出したいので、このお盆休みもどんどん原稿書き。文章がうまく動くよう、昼は喫茶店やレストランに行って書いてます。書評用にiPS細胞の本も出ているものはだいたい読みました。それからついに『氷と炎の歌』に着手。リーダビリティが高いのでぐんぐん進みますが、それでもこの夏のうちに4部まで読み終わるかどうか? 
今年はまだ花火を見ていない……。花火大好きなので、暑いだけの夏では乗り切れません……。

『サイエンス・イマジネーション』関連で、いろいろイベントを企画中です。どうぞお楽しみに!
posted by 瀬名秀明 at 12:23| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年08月11日

水素水研究の基本を理解するためのリンク集 【水素水その2】

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【このエントリーの要約】

・「活性水素水」と「水素水」はまったく別のものです。日本医科大学の太田成男教授らがおこなっている研究は水素分子が水に溶けたsaturated hydrogen water(飽和水素水;水素水と略称される)に関するものであり、「活性水素水」とは無関係です。

・これは水素分子の抗酸化ストレス効果に関する研究について、基本を理解するためのリンク集です。学術専門誌のウェブサイトへのリンクもありますが、大学や研究機関に勤めている方ならこれらのリンクをたどって原著論文に直接あたることができます。一般の方も関連ウェブページへのリンクをたどることで、社会的な情勢がわかります。

・現状、さまざまなウェブページで「活性水素水」と「水素水」を混同した記述が見受けられます。まずその記事が「活性水素水」と「水素水」を混同していないか、充分に確認することをおすすめします。

・水素医学そのものはインチキではなく、大きな可能性を秘めた新しい科学分野だと私(瀬名秀明)は考えています。バイアスのかかった目で水素医学を安易に論じることは、科学の発展によい結果をもたらしません。私たちは冷静な判断のもとでこの新しい科学の今後を見据えていきたいものです。


【関連するエントリー】

→「「活性水素水」と「水素水」はまったく別のものです 【水素水その1】
→「太田成男先生からの手紙 【水素水その3】
→「水素研究会発足記念シンポジウムの内容公開 【水素水その4】
→「「一般の皆様へ」研究室のスタンスを伝える 【水素水その5】
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水素分子の抗酸化ストレス効果に関する研究について、基本を理解し、考えるためのリンク集をつくってみました。瀬名の個人見解も併せて記載しました。

【リンク集】

有限責任中間法人 水素研究会 のホームページ
 *水素医学の発展を推進する団体です。後述参照。【追記:2008.9.29】

日本医科大学老人病研究所 水素分子医学研究開発拠点 の紹介ページ

水素医学HP *日本医科大学老人病研究所 水素分子医学研究開発拠点 のホームページ

日本医科大学老人病研究所 生化学部門
 *太田成男(おおたしげお)教授が主催する研究室で、ミトコンドリアを主体とした生命現象全般を扱っています。太田教授は客観的に見ても、ミトコンドリア研究では優れた業績を上げてきた人物といってよいでしょう。香川靖雄先生の弟子筋にあたります。太田教授の科学観やこれまでの研究成果については拙共著『ミトコンドリアのちから』(新潮文庫)にまとめてありますので、機会があればぜひご一読下さい。太田教授が水素分子の抗酸化作用について研究を始めたのは、ミトコンドリアにおける活性酸素の働きについて研究を続けてきたからだと思われます。水素ガスの抗酸化作用について示したNature Medicineの論文についても、『ミトコンドリアのちから』ではできるだけわかりやすく解説しました。

太田成男教授のプロフィール

日本ミトコンドリア学会 *その太田教授らが中心となって設立した学会です。ミトコンドリア病の患者さんたちにも親身となって接しており、好感が持てます。設立の経緯は拙共著『ミトコンドリアのちから』で詳述しました。

株式会社マイトス *太田教授が取締役を務める、日本医科大学発のベンチャー企業です。マイトスとはMitos、つまりミトコンドリアの略称。

株式会社ブルー・マーキュリー *その太田教授が、長寿科学振興財団理事長・元厚生労働省局長・水素研究会会長である小林秀資氏と共に、顧問を務める会社のホームページです。太田教授の研究内容について、しばしばConflict of interest(利益相反)について疑問が出るのは、彼らがこの会社の顧問をしているからでしょう。今後、しっかりとした説明がウェブページに記載されることを望みます。
 *なおこの会社が販売している「おいしい水素水」は、一部の人が主張している「活性水素水」とは無関係。「活性水素水」は「活性水素」なるものが溶けているといわれる水のことですが(ただし後述するように、「活性水素」は極めて過酷な条件でなければ発生しないといわれています)、ふつうに水素水といえば水素分子(H2)が溶けた水のことを指します。「おいしい」とありますがこれは「おいしい水素水」というひとつの商品名なのであって、味のよさを保証しているわけではありません。瀬名も実際に飲んでみましたが、味はふつうの水と同じでした。溶解した水素分子は分子量の小ささゆえに、ペットボトルなど多くの容器を通過してしまいます。しかしアルミニウムは水素分子を通しにくいので水素水の保存に適しており、そこでこの会社は水素水の販売にアルミパウチを利用しているのです。
 *注意! 現時点では水素水の人間に対する抗酸化効果は研究初期段階ですから、この「おいしい水素水」を飲みたいのなら、いまはごくふつうの意味で「こだわりの飲料水」として飲むくらいがよいと瀬名は思います。


【水素分子の抗酸化ストレス作用についての学術論文一覧】

日本医科大学の太田教授らのグループが最初に発表した、水素ガスの抗酸化ストレス効果についての論文。ラットの脳梗塞に対して2%水素ガスの吸入が劇的な効果をもたらすことを示しています。
内容の要約:3種類の方法で培養細胞に急性の酸化ストレスを誘導させ、水素ガス(H2)の効果を調べたところ、水素ガスは細胞傷害性の極めて高い活性酸素種ヒドロキシルラジカルだけを選択的に還元して、細胞を有効に保護した。生理学的役割を持つ他の活性酸素種とは反応しなかった。また局所虚血と再潅流を模擬したラットに水素ガスを吸入させたところ、酸化ストレスの作用が弱められることで脳損傷が顕著に抑制された。
Ohsawa I, Ishikawa M, Takahashi K, Watanabe M, Nishimaki K, Yamagata K et al (2007). Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals. Nature Medicine 13: 688-694.
doi:10.1038/nm1577
 *「Nature Medicine」誌は、著名な総合科学誌「Nature」の姉妹誌。一流の査読誌といえます。
 *「Nature Medicine」誌の要約ページはこちら(英語)こちら(日本語)。大学関係者ならここから原著論文がダウンロードできるはず。

その号の「News and Views」欄に掲載された紹介記事。太田教授らの研究の意義がわかりやすく解説されています。
Wood KC, Gladwin MT (2007). The hydrogen highway to reperfusion therapy. Nature Medicine 13: 673-674.
doi:10.1038/nm0607-673
 *「Nature Medicine」誌の要約ページはこちら(英語)こちら(日本語)。大学関係者ならここから原著論文がダウンロードできるはず。

慶應義塾大学の林田健太郎氏が太田教授らと共著で発表した論文。太田教授の研究室から出た次の論文。水素ガスの抗酸化作用について、さらに結果を出しています。Nature Medicineの論文を補強する内容だといえます。
Fukuda K, Asoh S, Ishikawa M, Yamamoto Y, Ohsawa I, Ohta S (2007). Inhalation of hydrogen gas suppresses hepatic injury caused by ischemia/reperfusion through reducing oxidative stress. Biochem Biophys Res Commun 28: 670-674.
doi:10.1016/j.bbrc.2007.07.088
 *ScienceDirectの該当ページで要約が読めます。大学関係者ならここから原著論文がダウンロードできるはず。この「Biochem Biophys Res Commun」(略称BBRC)も分子生物学業界では有名な雑誌です。

 *【追記2008.8.14】第一著者のKei-ichi Fukuda(福田慶一)さんは太田研究室の大学院生。慶應義塾大学の福田恵一教授ではないので、記述を訂正しました。福田恵一教授は、この後に示す林田健太郎氏の論文の最終著者。

ここまではマウスやラットなど齧歯類に対しての実験結果でしたが、2008年3月、京都府立医科大学から「水素水を糖尿病患者に飲ませると抗酸化作用が認められた」という論文が発表されました。マウスではなく人間に対する効果であり、水素ガスではなく水素を溶かした水(水素水)の効果を見ています。怪しげな白畑教授の論文を引用するなどツメは甘く、サンプル数も少ないのですが、注目に値する結果です。
内容の要約:メタボの患者30人に水素水を飲ませた。8週間にわたり、900ml/dの水素水を飲ませたところ、LDL値の顕著な減少が見られた。脂質・糖質の代謝改善に水素水の飲用は有効だと思われる。U型糖尿病の進行を遅らせることができると考えられる。
Kajiyama S, Hasegawa G, Asano M, Hosoda H, Fukui M, Nakamura N et al (2008) Supplementation of hydrogen-rich water improves lipid and glucose metabolism in patients with type 2 diabetes or impaired glucose tolerance. Nutrition Res 28: 137-143.
doi:10.1016/j.nutres.2008.01.008
 *ScienceDirectの該当ページで要約が読めます。大学関係者ならここから原著論文がダウンロードできるはず。

2008年6月、太田教授・大澤教授らのグループが、今度は水素ガスではなく水素を溶かした水(水素水)を使い「水素水をマウスに飲ませると認知機能の低下が抑制される」という論文を発表しました。認知機能の低下は抗酸化物質で抑制できる、というところが論文の主眼です。
内容の要約:マウスを狭い部屋に長期に閉じ込めるストレスを与え続けると、脳に酸化ストレスが蓄積し、神経細胞の分裂能が低下し、認知機能が低下する。同じ条件のマウスに水素水を飲ませ続けると、酸化ストレスが改善し、神経細胞の分裂能の低下は抑制され、認知機能の低下も抑制される。認知機能は、3つの別の方法にて測定し、すべての方法で、認知機能の低下抑制が確認された。
Nagata K, Nakashima-Kamimura N, Mikami T, Ohsawa I, Ohta S (2008). Consumption of Molecular Hydrogen Prevents the Stress-Induced Impairments in Hippocampus-Dependent Learning Tasks during Chronic Physical Restraint in Mice. Neuropsychopharmacology advance online publication, 18 June 2008: 1-8.
doi:10.1038/npp2008.95
 *「Neuropsychopharmacology」誌の要約ページはここ。大学関係者ならここから原著論文がダウンロードできるはず。
 *この雑誌のインパクトファクターは6以上で、査読誌の中でも一流の部類に入ります。
 *論文の末尾には「DISCLOSURE/CONFLICT OF INTEREST」として、太田教授が株式会社ブルー・マーキュリーの科学顧問であること、大学発ベンチャー・株式会社マイトスの取締役であることがきちんと明記されています。また他の共著者にconflict of interestはなく中立であることも記されています。

太田教授らは「実験医学」2008年8月号で、水素ガス及び水素水の研究結果について記事を書いています(特集 ミトコンドリアの遺伝機構とエネルギー代謝制御)。日本語で書かれているので興味のある人は読んでみるとよいでしょう。
太田成男, 大澤郁朗(2008) 水素分子による新しい概念の抗酸化治療法と予防医学. 実験医学 26: 2074-2080.
 *「実験医学」2008年8月号の紹介はここ
 *「実験医学」は分子生物学分野の第一線で活躍している日本の教授らが、主に大学院生や業界向けに日本語で研究成果を伝える役目の雑誌です。大学生協の購買部なら取り扱っていますし、大手書店の医学コーナーに行けば置いてあります。ウェブ書店からも購入可能です。 amazon】【bk1
 *総説の最後には、次の一文があります。
「なお、「電解還元水」「活性水素水」「飲む水素」「マイナス水素イオン」などの健康飲料あるいは健康サプリメントと称するものとは、本研究ならびに本稿は全くの無関係であることを明記します」

慶應義塾大学の林田健太郎氏、太田教授らの共同研究第2弾第1弾。ラットの脳梗塞に対する水素ガスの抗酸化ストレス作用を見ています。
Hayashida K, Sano M, Ohsawa I, Shinmura K, Tamaki K, Kimura K et al (2008) Inhalation of hydrogen gas reduces infarct size in the rat model of myocardial ischemiareperfusion injury. Biochem Biophys Res Commun 28: 670-674.
doi:10.1016/j.bbrc.2008.05.165
 *ScienceDirectの該当ページで要約が読めます。大学関係者ならここから原著論文がダウンロードできるはず。

東邦大学などによる、水素水の新しい論文。ビタミンC欠損マウスに水素水を与えたところ、活性酸素の発生量が顕著に減少したことを示しています。【2008.9.29追記】
 *東邦大学によるプレスリリースはこちら。「水素水で活性酸素を除去!?〜水素水の飲用で脳の活性酸素が減少する〜
 *後で論文へのダイレクトリンクを貼っておきます。
 *やはり前回の論文(京都府立大学など)と同じく、白畑教授の論文が引用されていますね。ちょっとふしぎです。


【疑似科学批判の動向と水素水】

 ここから先は瀬名秀明個人の見解です。
 以前よりインターネット内では「活性水素水」や「マイナス水素イオン」などの健康飲料と自称するものに対して、疑似科学であるとの批判が活発におこなわれてきました。そのような雰囲気が広まっていたため、多くの人が水素分子を溶かした水(水素水)の医学的研究に対しても、最初からバイアスのかかった目で見る傾向が強かったように思います。ひとつの例をここで示しましょう。2008年7月18日、太田教授らのNeuropsychopharmacologyの論文内容が、讀賣新聞で報道されると、その記事に対して強い反応がウェブ上で起こりました。讀賣新聞の記事はYahoo!ニュースに転載され、そしてこのふたつの記事に対して数十人が「はてなブックマーク」にコメントを書き入れましたが、その多くは印象的・反射的なコメントとなりました。Wikipediaの「活性水素水」の項目にも太田教授の名が書き込まれ、一時は記述が混乱しました(現在は落ち着いています)。

はてなブックマーク > 水素水に記憶力低下抑制効果、日医大教授がマウスで確認 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
はてなブックマーク > 認知症予防に道、水素水が記憶力低下を抑制(読売新聞) - Yahoo!ニュース *ふたつのはてなブックマークで雰囲気は異なっており、後者のほうが冷静なコメントが多いです。コメントが蓄積されるにつれて「場の空気」が生まれてきていることがわかります。
活性水素水 - Wikipedia *画面左上の「ノート」もクリックして読んでみましょう。追記や削除の様子も画面左上の「履歴」から辿れます。

 一連の水素分子研究に関して、太田教授ら日本医科大学はインターネット上に簡潔明瞭なプレスリリースを出してきませんでした。そのためウェブから情報を検索し判断したい人たちの期待に応じることができず、結果的にこのような混乱を招いたのだと思います。
 「水素水」という名前は確かに「活性水素水」と間違えやすいものです。紛らわしい名前を使わないでほしいという批判もあるでしょう。すばやくウェブで情報を公開するべきだという批判もあるでしょう。しかし新聞記事を冷静に読むことで多くの混乱は避けることができます。反射的な態度で「これは疑似科学だ」と決めつけてしまうことは、商品の内容を吟味もせずに「ナントカ還元水は健康にいいらしいから買ってみよう」と手を出してしまうことと大差ありません。どちらもしっかりと考えることをせず、周囲の空気に流され、他人の判断に身を委ね、印象で物事を決めてしまっており、どちらも同じように問題がある行為だと私は思います。
 今後「水素水」について書かれた記事やブログなどを見つけたら、その記事が「活性水素水」と「水素水」を混同していないか確認してみることをおすすめします。

 もっとも、株式会社ブルー・マーキュリーの水素水が、最初からすべてにおいてスキのないものだったとは思いません。ブルー・マーキュリーを起ち上げた室田渉氏について、丸山甲斐『水素の世紀』(幻冬舎ルネッサンス)という本が詳しく記しています。この本を読むと、室田氏はもともとルルドの「奇跡の水」や九州大学・白畑教授の怪しげな「活性水素」理論に関心を持っていたようで、その興味が飽和水素水をつくる機械の開発への着手に弾みをかけたと思えてきます。室田氏は「H4O」(エイチ・フォー・オー)というベンチャー企業ブランド名からスタートしたようですが、H4Oというのは首を傾げたくなる化学式ですから、これは混乱を助長します。しかし室田氏はやがて、加圧式で水素分子を水に溶け込ませる技術を開発し、これが太田教授の研究に使われることになったのだそうです。つまり結果的に室田氏の水素水は抗酸化作用を示すものになったのです。現在、室田氏は、ご自身の製造している水素水が、いわゆる「活性水素水」のようなものとはまったく別のものであるという立場を表明しています。
 ここに疑似科学と実際の科学の複雑でおもしろい関係性があると私は思います。だからこそ、私たちは反射的な疑似科学批判ではなく、冷静な目で研究成果を見極めてゆく必要があるのです。

 *【追記2008.8.14】上記のうち、室田氏が最初は「奇跡の水」や白畑教授の「活性水素」理論に関心を持っていたように思える、という瀬名の見解は、『水素の世紀』を読み直してみて、深読みのしすぎであったと感じましたのでお詫びと共に撤回します。ニュートラルに『水素の世紀』の文面を追えば、室田氏は「奇跡の水」や「活性水素」の効用に関する話題を聞いて、そこに自分がすでに注目していた水素分子の可能性を改めて見出すと共に、「活性水素」仮説には最初から疑念を持っていた、と読み取れます。

 太田教授はまず培養細胞にアンチマイシンで酸化ストレス(ヒドロキシルラジカル)を誘導し、ここに水素水でつくった培地を添加しました。ヒドロキシルラジカルを発生させた細胞のほうは、丸く縮んで棘のような短い突起を出してきます。ところが水素分子を溶かした培養液の細胞は、通常とほとんど変わらない表情を見せました。このとき太田教授はプロフェッショナルな科学者の目で、「この研究はいける」と確信したのだと聞いています。水素水の実験を始めて3日目のことだったそうです。私は研究の内容を理解するとき、このようなプロフェッショナルな眼力(実験力といってもいいでしょう)の共有がとても大切だと感じています。
 おそらくいま、太田教授の研究に対して疑問を持つ人がいるとすれば、「なぜ水素分子が体内でそんな効果を示すのか?」「いったい水素分子はどのような挙動を見せているのか?」ということが現時点の結果ではわからないからでしょう。ここでいう「水素」とは何か、ということについて、太田教授は講演で次のようにまとめています。

H2 (水素分子、分子状水素)水素ガス
 水素分子は水に不溶と信じている人が少なくないが、モル濃度では酸素と比べて遜色ないくらい水に溶解する。0.8mM(18ml/L)程度溶ける。大気中で1%の水素ガスを吸引すると、血液中の水素濃度は8μMになる。酸素は20℃で1.3mM(31mL/L)溶ける。

H+ (水素イオン)酸性

H (原子状水素、活性水素)
 放電(0.5mmHg)、1500℃(タングステン中)で発生する。活性水素は実在せず疑似科学であるといい切ってしまうとウソになるが、体内で存在できるとは考えにくい。

H- (ヒドリドイオン、マイナス水素イオン)
 NaH、CaH2など金属と結合しているときのみ発生。(水反応可燃性物質)

 太田教授が「水素」というのは、上のふたつ、水素分子と水素イオンのことであり、ふつうは水素分子のことを指す。下のふたつは太田教授の研究と無関係。


 しかし厳しいことをいうなら、太田教授は水素分子の物理学的な挙動に関しては専門家とはいえません。水素分子の挙動について、工学や物理学の眼力を持つ専門家から、つまり別の視点からのコメントがほしいところです。水素医学を今後発展させてゆくためには、分子生物学者と工学者・物理学者の共同研究が必要でしょう。さまざまな眼力を持つ専門家による、さまざまな言葉が聞きたいのです。そうすることで多くの人は水素医学研究者に対する信頼感と安心感を持つようになるはずです。

 活性酸素種は強い酸化力を持ち、細胞内に酸化ストレスを生じさせ、老化や病気の原因となると考えられています。ただ、多くの活性酸素種は低濃度においては重要な生理的役割を担っていることがわかってきました。ビタミンCなど還元力の強い物質は、これらの有益な活性酸素種の働きを損なう可能性があるというのが太田教授の見解です。そのなかでヒドロキシルラジカルという強い酸化力を持つ活性酸素だけが有益な生理作用が見つかっていない、だからこれだけを選択的に消去するのが大切であり、そのためには還元力の弱い水素分子が有効だ、というのが太田教授の考えです。
 この仮説については今後も学術的な検討が必要ですが、いまのところなかなかおもしろく、わくわくするような仮説だと瀬名は考えています。

 2008年7月29日、「有限責任中間法人 水素研究会」が発足し、その記念シンポジウムが開催されて、瀬名もパネリストのひとりとして参加してきました。交通費や謝金は一切受け取らず、懇親会も辞退し、ニュートラルな立場として意見を述べてきました。
 太田教授の基調講演に続いて、太田教授や瀬名の他に次の人々がパネリストとして壇上に並びました。
 小林秀資氏 株式会社ブルー・マーキュリー顧問 水素研究会会長 長寿科学振興財団理事長=元厚生労働省局長
 林田健太郎氏 慶応義塾大学医学部 循環器内科 心臓カテーテル班 副主任 動物実験で水素ガスが心筋梗塞に有効である事を発見し、臨床試験へと進もうとしている
 町出充氏 日本医科大学老人病研究所 水素分子医学研究開発拠点 水素医学寄附研究部門に赴任したばかりの分子生物学者
 河合薫氏 東京大学大学院医学系研究科客員研究員 フリーアナウンサー/キャスター

水素研究会の目的
1.水素関連分野の学術・医学研究の推進
2.水素関連分野の学術・医学研究への助成
3.水素関連商品の評価・適性化
4.水素関連分野と商品に関する啓蒙活動


 今後、多くの若い研究者の情熱を掻き立てる研究会となることを瀬名は望みます。まだ公式ウェブサイトはできていないようですが、的確で迅速なウェブ活動がこれから展開されてゆくことを期待します。
【集う】「水素研究会」発足記念懇親会 2008年8月4日20:47配信 産経新聞

 太田教授がかつて瀬名に語ったことで、印象的だったものがありました。日本では和田心臓移植事件があったために、臓器移植へのおかしなイメージがついてまわり、患者が国内で移植を受けられるようになるまで長い時間がかかった。水素水も同じようなものだ。日本では水素水に対するいかがわしいイメージが定着してしまったために、大手企業はなかなか研究に手を出せない。だが海外に行くとそのようないかがわしいイメージはまったくない。今後、水素水は海外からの逆輸入のようなかたちになるのではないか、と。
 水素水というだけでいかがわしいイメージがついてまわり、太田教授の勤務する日本医科大学ではマイナス水素イオンに関するビラが撒かれる会議中にマイナスイオンに関して消費者に注意を促す東京都のビラが無許可・無断で配布されるなど、不穏な雰囲気になった時期もあったと聞いています。残念なことだと私は思います。

 *【追記2008.8.14】以前に太田教授からうかがった話をもとに書きましたが、より正確な表現を太田教授よりいただきましたので、お詫びして文面を差し替えます。

 最後に、瀬名がパネル席上で引用した、アメリカの作家リチャード・パワーズの言葉をここでも紹介しておきます。
「優れた科学者は、専門分野を、深めるより拡張する。一般人は科学者に謎の回答を求めるが、彼こそが新たな謎を世に示す張本人」(朝日新聞2006年4月11日)
 これは科学のみならず小説についても当て嵌まることであり、私の好きな言葉です。今後の水素医学が、専門領域を拡張し、わくわくするようなサイエンスへと発展してゆくことを切望します。そしてこの若い科学を、私たちは反射的な感情に惑わされることなく、しっかりと自分の力で判断し、見極めてゆきたいものです。


【追記:2008.8.13, 2008.8.15】
 このエントリーをご覧になった太田成男教授から「説明責任を果たすために研究室のWeb上にも今まで誤解を生じさせている事柄についての解説をのせなくてはならないと考えるようになっています。」「水素研究会(も)早急にHPを立ち上げようと思っています。」とのご連絡をいただきました。続けて太田教授から長文のお手紙をいただきました。このエントリーで私が書いたことについて、認識不足だった点に対する訂正と、そして水素水研究への理念が記されていました。わかりやすく、また心を動かされる内容で、私自身も水素研究への理解が進みました。
 太田成男教授からいただいた文書は、そのままこちらのエントリーに掲載しました。
 →「太田成男先生からの手紙」(2008.8.15)
 ぜひ併せてお読みいただければ幸いです。
 今回のエントリーがよいきっかけになれば私としても嬉しいです。これからの研究とウェブ展開に期待します。
posted by 瀬名秀明 at 14:46| 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年07月19日

「活性水素水」と「水素水」はまったく別のものです 【水素水その1】

Wikipediaの「活性水素水」の項目は豪快な間違いをやらかしていますが、一部の人が唱えている「活性水素水」という代物と、「水素水」「飽和水素水」はまったく別のものですよ。
前者は現実のものであるのかどうかも不明。後者は水素分子が溶けた水のこと。
水素水に関する記事を読むときは、このふたつの違いをしっかり頭に留めておくとよいのでは。記事や論文、発言の中でどちらの言葉が用いられているのか注意のこと。


なお水素ガスの抗酸化作用については、日本医科大学のNature Medicineに続いて、慶應大学、上海大学から論文が出ているとのこと。ピッツバーグ大学からも近々出るらしい。

水素水の抗酸化作用のほうは、3月に京都府立大学から、6月に日本医科大学から論文が出ています。
Yoshikawa et al., Nutrition Research 28 (2008) 137-143

後日、各論文にリンクしておきたいと思います。

追記:2008.7.20
本日Wikipediaの「活性水素水」の項目を確認したところ、豪快な間違いの部分は編集削除されていました。

追記:2008.8.11, 2008.10.2, 2008.10.18
こちらのエントリーに詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。
→「水素水研究の基本を理解するためのリンク集 【水素水その2】
→「太田成男先生からの手紙 【水素水その3】
→「水素研究会発足記念シンポジウムの内容公開 【水素水その4】
→「「一般の皆様へ」研究室のスタンスを伝える 【水素水その5】
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2008年07月03日

仙台市天文台オープン!

 2008年7月1日、仙台市天文台が新しくオープンしました。かつて西公園にあった天文台と、プラネ番組『虹の天象儀』も上映した泉中央のこども宇宙館が合体して生まれ変わった天文台です。
 この日は午後1時半から無料開放ということで、スプライト観測衛星の開発者である吉田和哉教授、宇宙アートの小野綾子さん、「月焼き」の陶芸家・佐藤百合子さんたちといっしょに、オープン初日を攻めてきました。
 すごい人手で、開場ぎりぎりに行ったら長蛇の列。人あたりして大変でありました。

 開館記念で「□(スペース)が見た宇宙」という特別展示をやってます。スプライト観測衛星の模型や佐藤さんの陶芸もあるのでぜひ。伊坂幸太郎さんや瀬名の直筆パネルも展示されてます。

 プラネタリウム装置は五藤のバーチャリウムが入っていますが、けっこう迫力があってあちこちから子どもの泣き声が(笑)。目を横に向けても映像がちゃんとつながって見えるのがなかなか。

 天文台のウェブページ、望遠鏡やプラネ装置のスペックがどこにも書かれていないようですが、まあそのうち再掲載されるでしょう。秋保温泉にも近いので、星を見て温泉に浸かってゆっくりするのがよろしいかと。

DSCF6054.jpgDSCF6088.jpgDSCF6114.jpgDSCF6137.jpgDSCF6159.jpg

 この天文台では今後エッジの効いたイベントを仕掛けていきたいと思っています。どうぞ応援よろしく。
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2008年06月24日

免許書き換え完了

先週、東京航空局に行って、パイロット免許の書き換えを完了しました。これで日本でも飛べます!

アーサー・C・クラーク氏の作品についてエッセイを書く機会をいくつかいただき、改めて作品を読み直している日々です。
「SFマガジン」誌にはじめて書いた原稿がクラーク氏についてのものだったというのは、ちょっと自分でも意外でした。原稿を送った後、編集長から「月並みですが、感動しました」というメールをいただいて本当に嬉しく思いました。
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2008年05月26日

『Odd Hours』が来た!



クーンツの「オッド・トーマス」シリーズ第4弾、『Odd Hours』がアマゾン・コムから届きました。さっそくいい感じの読者コメントも上がっているようで、期待が高まります。
クーンツのオフィシャルサイトでは宣伝用のミニドラマが試聴可能。こちらもなかなか。
すっかり「オッド・トーマス」シリーズにハマり、最近はオフィシャルショップで「Pico Mundo Grille」のマグカップを購入し、こいつでコーヒーを飲みながら原稿を書いてます。
『ハズバンド』とか最近のストレートプロットの長篇はつまらんという人でも、この「オッド・トーマス」シリーズは毎回楽しみにしている人が多いはず。クーンツがこんなすてきな作家になってくれるとは、10年前には正直にいって思いませんでした。私も還暦を過ぎたらこういう小説を書きたいものです。
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2008年04月10日

東北大学大学院 医工学研究科 発進

この4月から、東北大学に新しい大学院「医工学研究科」が発足しました。
工学から医学や生命科学に迫る、全国的にも画期的な研究科。もちろん機械系だけでなく電気系など他の工学分野からも進学できますし、医学や薬学、農学、保健など、多彩な学部からの進学が可能です。

ウェブサイト「瀬名秀明がゆく!」の新年度大型企画として、4月11日更新からこの医工学研究科を取り上げます。「橋渡し」研究の最前線として、いま大学院にいる学生さんやこれから研究者の道へ踏み出そうとしている人たちにも参考になるところがあるはず。例によって私がテープ起こしから原稿書きまでやっています。ぜひご覧下さい。
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2008年03月17日

ふたりで紡いだ物語

本日はJAXAの会議に出席し、サイン本をつくり、インタビューを受けて、帰りにオアゾの丸善に寄って、『Every Breath』が置かれていることを確認してきました。文芸書のコーナーに自分の新刊を置いていただくのは、やはり科学ノンフィクションの新刊を出したときとは異なる心の昂揚感があります。科学ノンフィクションの場合はなんというか、ほっとするのだけれど、小説の場合は書店や読者の皆様からこちらがパワーをいただいて、後押しされる感じ。

帰りの新幹線では米沢富美子さんの『二人で紡いだ物語』を読む。次回の課外ゼミのお題なのです。女性研究者の半生記。『Every Breath』と重ね合わせ、久保杏子という女性の生き方・愛し方を改めて作者の自分が知った気がしました。
ゼミの議事録はいま2回分を校正中なので、しばらくしたら相次いで公開できると思います。

4日のサイン会の情報は、詳細わかり次第お知らせします。
posted by 瀬名秀明 at 20:01 | TrackBack(0) | 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年03月15日

ラジオドラマ後編、放送しました

そんな合間にも文庫のゲラを直し、終わったらすぐさま続けて新しい本のゲラに取りかかります。えー、どこかにここ10年間の詳細なロボット年表ってないだろうか。何月にどこが何というロボットを発表して、こんなイベントがあったとか。自著『ロボット・オペラ』に書いていないことはもう調べられないというこの現実……。

東北大学機械系「瀬名秀明がゆく!」も今年度の更新は本日で終わり。シリーズ19からはすべて私が自分で原稿をつくっているのですよ(ただしシリーズ21は再録)。ええ、テープ起こしからすべて私がやっています。もう大サービスです。
最新シリーズの「若手ロボット研究者がゆく!」はおかげさまでとても評判がいいようで、嬉しい限り。ぜひ読んでみて下さい。
posted by 瀬名秀明 at 00:04 | TrackBack(0) | 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする

2008年03月09日

こういうときって他の人はどうしてるんでしょ。

 テープ起こしをして、原稿を書いて、人と会って、本を読んで、の毎日です。先週は8年ぶりに日本SF大賞のパーティに出席し、東京航空局へ行ってパイロット免許書き換えの申請。

 で、そんな合間を縫って、劇団アグリーダックリングの公演「箱師よ、その町の暁に釘を打て。」を観てきました。現代版の『箱男』というか、なるほど明日が来るからあの箱はアスクルだよねとか、いっしょに行った編集者と帰り道で話しました。おもしろかったです。体調がいまいちだったのですが、観たら治ってしまいました。

 学生さんたちとやっている課外ゼミとお散歩ツアーの原稿も、そろそろ今年度分をまとめないと。
posted by 瀬名秀明 at 23:16 | TrackBack(0) | 読んで書く、書いて読む | 更新情報をチェックする