東北大の大学院生ごく数名と、課外ゼミのようなものをはじめてみた。
おおむね月一回のペースで集まって、みんなで一冊の本、あるいは一本の映画について語り合う。感想だけじゃなくて、自分の研究と結びつけて、そこから20年後の科学と文学を語ってみるというのがミソ。しかも一見サイエンスとは関わりのなさそうな物語をあえて選択して、まずはお話の面白さから入ってみるのだ。これをきっかけとして読書のリズムもついてくる。特任教授になってから、「いったい大学で何やってるの?」と訊かれることも多いのだが、私が本当にやりたかったのはこういう贅沢な遊びなのだ。
未来を語るとき、5年後くらいの近い未来や、100年後といった遠い未来の話は意外と簡単にできる。いちばん難しいのが20年後で、学生たちはばりばり仕事をしている頃。このくらいのスパンで未来を語れる能力を鍛練するというのは、作家にとっても研究者にとってもすごく大切なことだと思うのだ。お茶とお菓子を持ち寄って昼下がりに集まり、3時間しゃべるのだが、初回にしては話題も盛り上がって、まずはよい滑り出し。
初回のお題はロバート・ウェストールの児童文学『弟の戦争』(徳間書店)。ウェストールは好きな作家で、『かかし』とか『海辺の王国』とか本当に素晴らしいのだけれど、まずはウェストールの中でもわかりやすくて短い作品にしてみた。でもクライマックスからラストにかけては本当にこわいよ。
湾岸戦争の話なんだが、湾岸戦争は1990年で、もう17年も昔のことなのだよね。この17年を未来へと折り返せば、約20年後ということになる。このスパンは、読む人の年齢によっても受け取り方が違う。
次回のお題は、映画『ミニミニ大作戦』!
何回かやってみて、ペースがつかめてきたら、議事録を一般にも公開するような仕組みを整えてゆくつもり。やっている当事者の人数は少ないけれど、もしこの公開版で他大学の学生にも刺激を与えられれば面白い。
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